2006年の「近況」
2006/01/04
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。正月は結局何もすることなく、実家でゴロゴロしていました。 疲れを癒すにはゴロゴロするのが一番です。
今年はこれまでの仕事をまとめつつ、春先から新しいプロジェクトを始めたいと思っています。 かなり面白い研究になりそうです。
11月にリジェクトされた論文を少し書き直して、先週別の雑誌に投稿しました。 気持ちを切らさずに作業を進めていけば、いつかいいことがあるでしょう。今度こそは。年明け早々なぜか突然ミナミマグロの漁獲量削減の話題がマスコミを賑わしました。 なぜ3ヶ月前のことが今報道されるのかさっぱりわかりませんが、 マグロというのはマスコミ的にも関心の高い魚のようです。
今週からミナミマグロの加入量調査のためにオーストラリアに行ってきます。 天候によって、調査期間が変わるので、いつ帰ってこられるかわからないのですが、 久しぶりに海に出られるので、楽しみです。 いつもこういう海外出張なら大歓迎なのですが。
天候が良かったため、オーストラリアでの加入量モニタリング調査は順調に進み、 予定より少し早く帰国することができました。 予め決められたラインに沿って、1歳のミナミマグロ（2-3キロ）を曳き縄で釣るということをしたのですが、 4日間で50匹以上釣り上げることが出来、上々の成果でした。4人乗りの小さな船（全長18メートル）だったため、水が自由に使えなかったり、蚊が多かったりと、 生活面では苦労することも多かったのですが、2年ぶりの乗船調査はなかなか楽しかったです。 現場でないと分からないことも多く、その意味でもたまにはフィールドに出なければなりません。 やはり海はいいものです。
今回の調査は来年以降の予備調査としての意味合いが強いものだったのですが、 それなりにうまくいったので、今後はどう本格的な調査にしていくかデザインする段階になります。
2月から東京駅～清水駅前・折戸車庫のバスが開業しました。 今回もこのバスを使って、帰ってきたのですが、 家の横から東京まで、バス1本で行けるようになって、随分楽になりそうです。 廃止にならないように、皆さんも乗ってください。
先週はミナミマグロの過剰漁獲の話題が新聞各紙を賑わしました。 「決めたことは守る」というのが資源管理の第一歩だと思うので、その意味では大変残念なことです。 今回の件を契機に新しい管理システムが導入されるようですが、 「抜け道を探したくなるもの」ではなく、「守りたくなるもの」にしていく必要があると思います。 そのためには、少なくとも「正直者が得をする」ルールでなければならないでしょう。 それを実現させるために必要な政策は何なのか、考えていかなければならないテーマです。
去年から続いていることなのですが、 清水エスパルスの応援に行って、勝ったためしがありません。 今日もジェフ千葉にあっけなく負けてしまいました。開幕3連勝だったのに。 今年は後援会にも入って、気合いを入れて、応援しているのに、困ったものです。
生態学会（3月24日-28日＠新潟）の準備がなんとか終わりました。 今年から口頭発表では、OHPが廃止となり、プロジェクタのみになりました。 今年は「野生生物管理に数理モデルはどのように役立つか」というシンポジウムで話をさせてもらうのですが、 事前に企画者にファイルを提出することになっていたので、（いい意味で）諦めが早くつきました。 「ミナミマグロの管理方式の開発－国際漁業管理機関における数理モデルの使い方」というタイトルで、30分ほど話をする予定です。 要旨と講演ファイル、参考資料を載せておきます （要旨, 発表ファイル, モデル詳細（英語）, 管理方式解説（個体群生態学会会報））。昨年、生態学会には4年ぶりに復帰したのですが、いつの間にか巨大化し、 知らない人ばかりで結構戸惑いました。雰囲気も少し変わってきた気がします。 学問に栄枯盛衰はつきものですが、「生態学者」を自称する者として （都合のいいように「昆虫学者」だとか「水産学者」だとか使い分けていますが）、 今年はいい刺激を受けられればと思っています。
今まで口頭発表で使ったプレゼンファイルなどを「発表資料」というページにまとめてみました。 今後も随時追加していくつもりですが、何か公表してはいけない内容が含まれていたら（気をつけたつもりですが）、連絡してください。
今年の生態学会は5日間の長丁場で、しかも発表が最終日だったこともあり、 随分体力を消耗しましたが、面白い学会だったと思います。 「研究モチベーション」も、すっかり回復です。 一度話してみたかった人たちと話ができたことも収穫の一つで、今後へつなげていきたいと思っています。私が話をさせてもらったシンポジウム「野生生物管理に数理モデルはどのように役立つか」 には100名近い参加がありました（会場が巨大で驚きましたが）。 ミナミマグロの管理方式の話に関しても、何人かの方々からありがたいコメントをいただきました。 不確実性の取り込み方など、他の事例にも適用可能だと思っていますが、いかがだったでしょうか。 経験の共有は科学の発展に重要なことだと思っていますので（←ちょっと大げさ？）、 質問や感想などありましたら、下記のアドレスまでメールをいただければ幸いです。 どの程度、話が伝わっているのか、いつも不安です。
野生生物管理にモデリングは有用なツールだと思っていますが、 管理の目的が「生態系の理解」ではなく「問題解決」であることを考えると、 「どんなモデルをどのように使っていくか」を状況に合わせて判断することがポイントだと思います。 その意味では、数理の専門家がただ単にプロジェクトに加わっただけでは、大きな前進にはつながらないでしょう。 そこが生物管理の面白いところだと思いますが、人としての器の大きさが問われそうです。
日本平桜マラソン、5キロの部に出場しました。 走ることは好きではないのですが（昔から長距離走は苦手）、 ちょっと面白そうなので、申し込んでみました。 しかし冬の間に練習することもなく、結局ぶっつけ本番に。 1キロで腰痛発生、1.5キロで腹痛発生、3キロで膝痛発生と散々の結果で、 タイムは36分45秒、順位は1230人中870位でした。 ほとんど歩いていたので、沿道の人に「走れ！」と怒られたりしましたが、 雨の中のランニングも少しだけ気持ち良かったです（←負け惜しみ）。 来年はもうちょっと練習して、10キロに挑戦します。
4月3日から3日間、インペリアルカレッジ（イギリス）のM. McAllisterさんが来所し、 ベイズ解析に関する講習会を開いてくれました。 ベイズ推定の基礎からWinBUGSの使い方まで、随分丁寧に教えてくれたのですが、 演習を通して、自分が基礎的なことを理解していなかったことが明らかに。 頭ではわかっていた気になっていたのですが、実際に自分で計算してみないといけませんね。
来週、研究室が本館から新館（←全然新しくない）へ引っ越します。 隣の建物への引越ですが、準備の大変さは移動距離に依存しないので、毎日バタバタしています。 引っ越して、何かいいことがあるといいのですが…。まあ、気分転換というところでしょうか。一つの利点は荷物が整理されることですが、 今日は倉庫に眠っていた本「ワシントン条約附属書掲載基準と水産資源の持続可能な利用」の配本希望者を生態学のMLで募集しました。 16冊の募集に対して、わずか30分で40名近い応募がありました（とてもビックリ）。 20冊ほど余部がさらに見つかったため、ほとんどの方には配れそうですが、 数名の方には遠慮していただくことになりそうです。すいません。 今週は無駄に刷り上げた報告書をたくさん処分したので（納税者としても、執筆者としても、地球人としても、あまりいい気がしない）、 この本のように、いい引き取り手がたくさん見つかると素直にうれしいです。
海洋調査の一環として（←遊びではない）、ルアーフィッシングを始めました。 アジ釣りは得意ですが、ルアーは全くの初心者です。 本で得た知識をもとに試行錯誤しながら、ルアーを投げていたのですが、 20投目ぐらいに見事にルアーだけ飛んでいってしまいました。 どうも糸の結び方が悪かったみたいです。 ルアーのない糸先を見て、久しぶりに泣きそうになりました。
研究室の引っ越しは無事終了。 意外と部屋が広くなったので、まあ労働の甲斐はあったのかもしません。 まだ発注した新しい机が来ていないので、私の領地はパソコンラック一台分しかないのですが。先週来、毎日のように釣りに行っているのですが、未だに一匹も釣れません。 今のところ、ビニールと海草が釣れただけです。 魚がいないのか、私の腕がわるいのか、原因がわからないのが困ったところです。 実はこの問題、水産資源学でも遭遇する重要な問題でもあります。 だから釣りは仕事の一環だと思ってください、皆さん。
新しい大きな机が納品され、一気に研究環境が向上しました。 今風の机の方が少し低いので、パソコン作業には向いています。 肩こりが楽になるといいんだけど。 月末の韓国での講演に向けて、早速準備を始めました。
相変わらず二日に一度ぐらいのペースで釣りに行っていますが、 未だに一匹も釣れません。 最近はサバ狙いなのですが、うまくルアーを投げることが出来ず困っています。 それにしても、釣りはお金がかかりますね。 素直にスーパーで魚を買った方が安いです。
韓国出張から無事帰国しました。 今回は釜山にある国立水産科学院（NFRDI）から招待を受け、ミナミマグロの管理方式に関する講演と実習を行ってきました。 「こんな若造が講師でよろしいのでしょうか？」という感じでしたが、 質問＆解説の連続で、それなりに貢献できたと思います。 おかげで私は毎日ヘロヘロでしたが、フグと焼き肉パワーで乗り切りました。 今後も両国の研究者間の交流が進めばいいと思います。韓国の沿岸資源も、ABCとTACに基づく漁業管理が行われているそうですが、 話を聞く限りではそれなりに機能しているようでした。 ただし、異なる漁業間（漁法間）の調整が難しいと担当者は言っていました。 この辺りは全ての水産資源に共通する問題かもしれませんが、 彼をそれを克服するような管理方法を作りたいと思っているそうです。
クロマグロの標識放流調査のため、佐渡の定置網を視察してきました。 これまで、南半球に生息するミナミマグロが主担当だったため、 出張といえば「海外で楽しくない会議」か「はえ縄操業2ヶ月」が定番だったのですが、 今年からミナミマグロチームとクロマグロチームが合体したため、 「楽しい国内調査」も回ってくるようになりました。定置網漁というのは、沿岸近くに迷路のように網を張り、魚が迷い込んでくるのを待つ漁法ですが、 1日に1,2回、魚が溜まった網をあげるだけなので、うまく魚が入れば、実に効率的な漁法です。 もちろん魚が入ってこないときは全く獲れないのですが。 私が見せてもらった網でも、40キロクラスのクロマグロが12匹とれ、 船上で素早く血抜きした後、氷詰めされ、築地に送られていきました。
そこそこ毎日サッカーを見ています。 これまで戦術論を軸に試合を見ることが多かったのですが、 今回のW杯を見ていて感じるのは、「やっぱ基本は個人の力でしょ」ということ。 サッカーの見方が少し変わりそうです。安直な組織論は嫌いですが、自分に当てはめてみても、考えることが多い発見でした。 もっとレベルアップしないと世界とは戦えませんね。 こんな時こそ、エスパルスを応援しようと思います。
今年も「生物資源の数理モデリング」シンポジウムを開催しようと現在準備を進めています。 とても素晴らしい方々に話してもらえることになりそうです。 耳学問だけではダメだと思いますが、 こういう集まりは何かを考え始めるきっかけになることが多いので、 大切にしたいと思っています。詳細が固まり次第、また連絡させていただきます。公僕としての本業も段々忙しくなってきました。 イライラすることも多いのですが、少しでも資源管理がいい方向に行くように、力を注ぎたいと思っています。 「わかっちゃいるけど、できないこと」をできるようにすることこそが、 人間の知恵であり、責任だと思いますので、言うべきことははっきり言っていくつもりです。
それにしても、CCSBT（みなみまぐろ保存委員会）の科学委員会は毎年9月に開かれるので、 8月に夏休みが取れないのが困ったところです。
来週、遠水研の一般公開があります。今年はわが研究所の調査船、俊鷹丸が公開されます。というわけで、恒例のタッチプール（三保の生き物展示）は今年はありません。 毎年7月はこれだけに情熱を注いできたので、企画者としても残念です。 三保の生き物が見たい人は遠水研ダイビング部に入ってください。
3誌からリジェクト（掲載拒否）された論文を イギリスの雑誌（Functional Ecology）に再投稿しました。 ほとんどの雑誌がインターネットから投稿できるようになり、 気分的に敷居が低くなった分、リジェクトされる頻度も増えてきている気がします。 「業績作り」だと思うとなかなか筆が進まないので、 最近は「思い出作り」だと思って、論文を書くようにしています。「思い出作り」に税金を使いまして、申し訳ありません。 ちょっとずつ還元していきますので、許してください。
我が街「折戸」のTシャツを自分で作ってみました。 「リーバイス501」などに対抗して、「折戸562」と「折戸571」のロゴが入っています。 「家から研究所まで歩いて1分」という「職住近接」の重要性を訴えた作品ですが、 着てても、笑わないで下さい。
第2回「生物資源の数理モデリング」シンポジウムのプログラムができました。 pdfはこちら（転送歓迎）。 jeconetなどでも宣伝させてもらいましたが、是非皆さんも参加してください。 大きな教室を借りたので、ガラガラだと上司に怒られます。 私が言うのもなんですが、かなり勉強になると思います。今日はGIS（地理情報システム←日本語だとこういうのですね）ソフトを 販売する会社から取材を受けました。 GISに関係ない話ばかりをしていた気がしますが、 あれで無事に記事になるのか心配です。 「専門家じゃないので、難しい質問はしないでください」と言う私も私なのですが。
土曜日から奄美大島に行ってきます。
7月はストレスが溜まることが多かったので（科学者も社会人なのです）、 ちょっと早めの夏休みということで、奄美大島に行ってきました。 カヌー、ダイビング、黒糖焼酎、クロマグロ飼育、島唄、海水浴、美術館と盛りだくさんの内容で、 モヤモヤ感はたいぶ払拭できました。 それにしてもこんな気分の時に聞く奄美の島唄は心に染みます。例年通り8月、9月は大変ですが、10月にいいことがあると信じて、今年も気合いで乗り切ります。
第2回「生物資源の数理モデリング」シンポジウムのプログラム＆要旨集が完成しました。 pdfはこちらです。 ベイズ統計、メタ個体群、資源管理などに関心のある方には満足していただけるシンポだと思います。 多くの皆さんの参加をお待ちしています。今年は東大で開催します。今日、出張先のケープタウン大学から帰ってきました。 金曜の朝に出て、土曜の晩に着きました。地球の「でかさ」を感じます。 9月に行われるCCSBT（みなみまぐろ保存委員会）科学委員会の準備ですが、 今年は流れの読めない難しい会議になりそうです。 こんな時、科学者は科学者としての仕事を淡々と進めるべきですが、 関係者として、言いたいこともたくさんわけで、その辺りの割り切りに苦労しています。
昨日開催した「第2回生物資源の数理モデリングシンポジウム」には80名もの多くの方に参加いただきました。 講演者の皆様、運営を手伝ってくれた嶋田研の皆様、参加者の皆様、遠水研の皆様、 どうもありがとうございました。企画した甲斐がありました。 参加者でご意見、ご感想などある方は、遠慮なくフィードバックしていただければ幸いです。 それぞれの講演が大変勉強になり、刺激的だったのですが、全体を通した印象として、 これからの生態学、資源管理では、統計モデリングの知識とテクニックが重要な部分を占めるのかなと思いました。 ノイズの多い野外データからいかに情報を引き出すかということを考えると、統計モデリングは不可欠だと思います。 ただそれをベイズでやるか最尤法でやるかという問題は、 個人の好みと対象の特性（関連情報の有無など）に依存するだけで、 ”実用上は”それほど本質的な問題ではないように私は感じたのですが、いかがでしょうか。 ベイズには事前情報の利用という切り札がある分、大した情報や根拠がない場合、 それが仇になる可能性もあるので、適宜使い分ければいいのかなという印象を持っています。 この部分はこれから勉強予定です。
今日、生まれて初めて、人間ドックに行ってきました。 ドクターストップをかけてもらい、来月のCCSBT科学委員会を欠席しようという魂胆だったのですが、 残念ながら「とても健康」とのこと。「無理が利く体」というのも困ったものです。 胃カメラはあまり気持ちのいいものではなかったのですが、 自分の内臓を初めて見て（昔の人は出来なかったはず）、 その美しさ（鮮やかなピンクでした）に感動すると同時に、 自分も生き物なんだという事実を突きつけられ、ちょっと複雑な気分になりました。 長生きしたいです。
来週からいよいよCCSBT（みなみまぐろ保存委員会）科学委員会（今年は東京）が始まります。 1年で最も大変な2週間がやってきました。 今年はとても大きな事が決まりそうな感じですが、 その分、責任と重圧を感じながらの会議になると思います。5月頃からずっと話し合いを続けてきたのですが、 10月から1年間カナダ・バンクーバーのBritish Columbia大学に行くことになりました。 Murdoch MacAlisterさんというベイズ統計に強い水産資源学者との共同研究ですが、 しっかりやってきたいと思っています。 ちょうど4月に彼が遠水研に来たときに話したことがきっかけで、こういう事になりました。 というわけで、カナダ行きの準備も忙しくなりそうです。
2週間に渡って開催されたCCSBT（みなみまぐろ保存委員会）科学委員会が終わりました。 内容は10月の本委員会終了後まで公表できないのですが、 6年間この委員会に携わってきて、今年ほど現実の資源管理の難しさに直面した年はありませんでした。 来月の本委員会は、CCSBTの存在意義を問われる会議になると思うので、しっかりやってもらいたいと思います。 カナダから監視しています。 会議中、1日だけ休みがあったのですが、会議参加者のリクエストで、富士山に登ってきました。 天気もよく、ご来光もばっちり見ることが出来たのですが、 彼らのパワーについていくことが出来ず、私はヘロヘロでした。 やっつけられました。完敗です。
いよいよ10月1日からブリティッシュコロンビア大学（UBC）で研究を始めます。 1年間の予定です。 今月後半は、多くの方に壮行会をしていただき、大変感謝しています。 「10日間で8回の飲み会」は富士登山に相当する、忘れられない（忘れたい？）思い出になりました。 今ならドクターストップがかかるかもしれません（今かかると困るのですが）。 UBCのあるカナダ・バンクーバーは大変素晴らしい所のようなので（清水ほどではないと思いますが）、 生活も楽しみながら、しっかり仕事をしたいと思っています。 向こうからもたまには更新するつもりです。
バンクーバーでの暮らしが始まりました。 やはり朝晩はかなり冷え込みますが、今のところ元気です。 友人の紹介で、年内は台湾人一家のもとでホームステイをすることにしました。 人生何事も経験ですが、中華料理の食べ過ぎで（この家族は毎日中華料理を食べるようです）、 すでに少し太った気がします。滞在先のUBC（ブリティッシュコロンビア大学）Fisheries Centreは、 水産資源学の研究では有名な研究機関ですが、 以前いたワシントン大学に比べると、環境保護寄りの人が多い気がします。 私自身、今の漁業管理が完全にうまく行っているとは思っていないので、 彼らの意見がわからないわけではないのですが、 ちょっとナイーブすぎるのかなという印象も今は持っています （後ですっかり染まったりして）。 これから1年あるので、いろんな人と意見交換しながら、自分の研究を進めたいと思います。
すでにマスコミを賑わしているようですが、 先週CCSBT（みなみまぐろ保存委員会）の本委員会が開かれ、 TAC（魚を取ってもいい漁獲量）の削減（約15000トンから約11500トンへ）が決まったそうです （水産庁プレスリリース）。 日本とオーストラリアの過剰漁獲が指摘される中、どうなるか心配していたのですが、 TACに合意できたことは評価したいと思います（面倒な経緯は水産庁に確認してください）。ただし私にとって非常に残念なことは、 ここ4年ほど掛けてようやく完成させた管理方式がご破算になってしまったことです。 いつもセミナー等でその先進性をアピールしてきましたが、 残念ながら人間側の準備がまだ整っていなかったようです。 コンセプトそのものは有効なので、もう一度やり直すことになりそうですが、 私の研究人生も有限なので、今後この問題にどう関わるべきか悩ましいところです。
ミナミマグロの漁獲量削減の報道は、海外のマスコミでも結構取り上げられています。 UBCでも話題になっています。 ただし「日本とオーストラリアに漁獲量ごまかし疑惑→来年の日本の漁獲枠削減、オーストラリア現状維持」 という結果から「日本は黒、オーストラリアは白」と普通の人は考えるようです。 実際の事情はもう少し複雑なようですが、そうであるなら自らの襟を正した上で、 世界へ向けてしっかり主張することが大切だと思います。だいぶバンクーバーのフィールド調査も進んできましたが、 西海岸の街は歴史が浅いせいか、土地が広いせいか、ちょっと「薄い」感じがします。 この「軽さ」が多くの人を惹きつけるのでしょうが、 「じっとり・ねっとり系」の私としては、ちょっと物足りないのも事実です。 塩コショウ持参で、上手に味付けしていきたいと思います。
名物の冷たい雨に悩まされていますが、仕事も無事立ち上がりそうで、いまのところ心身共に元気です。 今回は長いので、はしゃぎすぎず、大人しく仕事することを心がけています。
「海外で仕事」というと、よく人から「いいですね」と言われます。 一方、その経験のある人からは「大変ですね」とも言われます。 どちらも正しいと思うのですが、バンクーバーの長雨は結構強敵で、かなり苦戦しています。 寒さには慣れてきたのですが、外で遊べないので、「なんだかなあ」という感じです。調べたらバンクーバーの11月は、日本の9月（一番雨が多い月）より雨が多いみたいです。 しかも、じとじとずっと降っています。 せめて雪でも降ってくれるとちょっと盛り上がるのですが。
青空って大切なんだなあと思う今日この頃です。
「雨でも出来ること」として、今週から大学内のプールで水泳を始めました。 20分で足がつりそうになりました。北京オリンピックに間に合うか不安です。 今週はRで地図を描いていたのですが、 練習を兼ねて自分が行ったことのある国（15ヶ国）をプロットしてみました。 仕事での旅がほとんどなので、随分偏りがあることがわかります。 まだまだ世界を知らないなあと実感しています。
もう2週間ほど前のことですが、数年に一度の大雪が降りました。 停電で大学が閉鎖になるなど、街は大混乱でしたが、雪が珍しい私はちょっと喜んでいました。 そんな雪に誘われて、自分のスキーを買ってしまいました。 早速昨日滑ってみましたが、なかなかいい感じです。 バンクーバー五輪に間に合うかもしれません。
仕事は怒られない程度に真面目にやっています。
ミナミマグロの過剰漁獲問題がまたまた世間を騒がしているみたいですね。 守秘義務があるので、私から事の真相を話すわけにはいかないのですが （そもそも”真相”なんて知らないですし）、今回の件をうやむやにせず、 しっかり受け止めた上で、これからのマグロ管理を考えていくべきだと思います。科学者としてパワーアップするために、日頃からトレーニングを続けているつもりですが、 私の力が本当に必要とされるところで、仕事がしたいなあと最近強く思っています。